価格表
項目名 | 抗横紋筋抗体 |
---|---|
動物種 | ヒト |
検体種 | 血清 |
必要量 | 200μL |
価格 | 27,500円 |
報告日数 | 10営業日以内 |
抗横紋筋抗体
横紋筋は横縞模様のある筋肉で、骨格筋と心筋が該当します。骨格筋は、一般的に「筋肉」と呼ばれている、身体を動かしている筋肉です。心筋は心臓を形作っている筋肉を指します。
抗横紋筋抗体(anti-striational antibodies)は、この横紋筋に対して反応・結合する抗体を指し、自己を認識する抗体である為、自己抗体に分類されます。いくつかの対応抗原が知られていますが、代表的な自己抗原はTitin、リアノジン受容体、電位依存性Kチャネル(voltage-gated K channel, Kv1.4)の3つです1)。抗横紋筋抗体は重症筋無力症(Myasthenia Gravis, MG)に関連した自己抗体であり、抗原により臨床特徴の多少の違いはありますが、基本的には類似した臨床像を呈します。
Titinは、骨格筋の収縮に関わる細胞内タンパク質で、3,000kDa~4,200kDaの分子量を持つ巨大なタンパク質です2)。Titinは巨大なタンパク質ですが、自己抗体が結合する抗原部位は約30kDaのポリペプチド領域(MGT-30)であることが特定されています2)。抗Titin抗体は20-40%のAChR(アセチルコリンレセプター, AcetylCholine Receptor)抗体陽性MG患者で検出され、若年発症MG(Early–Onset MG, EOMG)では6%程度の陽性率ですが、胸腺腫のない老年発症MG(Late-Onset MG, LOMG)では50-90%の陽性率となります。4)-8)
Kv1.4は中枢神経系のニューロンで主に発現している物質ですが、横紋筋でも発現しています。その働きはアセチルコリンの分泌に関与するチャネルを形成している分子であることが分かっています。抗Kv1.4抗体は11-18%のMG患者で検出され、臨床症状では抗Kv1.4抗体陽性例では重篤な球症状やクリーゼの頻度が高くなることが指摘されています。9)-12)
また、抗横紋筋抗体の測定意義として、以下の3点が示唆され、現在も様々な研究が行われています。
- 1. 重篤なMGの治療方針決定や予後予測因子
- 2. MGと筋炎・心筋炎の合併の指標
- 3. 免疫チェックポイント阻害剤の副作用診断のためのバイオマーカー
測定原理 - Cytometric CBA -
抗横紋筋抗体の測定法はこれまで多くの研究者から報告されており、間接蛍光法・ELISA・immunoblot・アイソトープを用いた免疫沈降法など様々な方法があります。ただし、測定法により、陽性の判断基準が異なるため、感度や特異度に一定の評価が得られていません。確立された測定法が開発されていないこともあり、これまで実臨床で検査される機会が限られているのが現状です。
弊社では、慶應義塾大学医学部神経内科、神経免疫グループと共同し、新規の抗横紋筋抗体の測定法の開発に成功いたしました14)。Cytometric cell-based assay(Cytometric CBA)と名付けたこの手法は、生細胞の膜表面に対応抗原を発現させ、血清中の自己抗体と反応させた後、抗ヒト抗体を用いて染色します。染色した細胞の解析にFlow Cytometerを用いることで、従来よりも高感度に測定することが可能になりました。
弊社の測定法では、抗横紋筋抗体の対応抗原のうち、TitinとKv1.4に対する自己抗体を検出します。抗リアノジン受容体抗体は、国内外の研究者によって様々な測定法が提唱されてきました。しかし、高感度を誇るCytometric CBAにおいても疾患特異性や疾患感度が担保されなかったため、採用しませんでした。
参考文献
FAQ
測定結果を診断に利用できますか?
出来ません。弊社の受託測定は、研究用となっております。
基準値を教えてください。
抗体価が1.0 以上を陽性(+)としております。 詳しくは参考文献14をご覧ください。
抗体価の単位を教えてください。
抗体価の単位は、任意単位 A.U. (arbitrary unit)となります。
測定を依頼するときに患者情報は必要ですか?
報告書に記載する検体番号以外は、必要ありません。 患者様の特定につながる個人情報はお送りいただかないよう、ご注意よろしくお願いいたします。 検体番号のご連絡がない場合は、検体保存容器に記載の数字もしくは文字列を利用いたします。
測定結果の報告はどういう形式で送られてきますか?
測定結果はご指定いただきましたメールアドレスにpdf形式で送付いたします。書面報告をご依頼いただきました場合は、同様の報告書を印刷し郵送いたします(この場合、pdfでの報告は割愛させていただいております)。
依頼するにはどうしたらよいのですか?
ご依頼に際して、まずはこちらのフォームに必要事項を記入して弊社宛に送信ください。折り返し見積書のご連絡いたします。
検体送付方法を教えてください。
検体は、各測定項目で指定されている検体種、検体量をご確認の上、分注して凍結してください。凍結した検体を、冷凍便で下記住所あてにご送付ください。(送料はお客様負担とさせていただいております。)
株式会社TKResearch
〒277-0043 千葉県柏市南逆井1-12-5-101
電話番号 04-7197-1154
容器の指定はありますか?
容器の指定はありませんが、検体がこぼれないよう密封して凍結してください。
細かな点の質問がしたいのですが?
お問い合わせは、info@tkresearch.co.jpまで、メールにてよろしくお願いいたします。メール到着後、一両日中に返答させていただいております。また、弊社では電話によるご質問はお断りしております。